理事長所信・挨拶

CHAIRMAN'S OPINION

2026年度理事長
松田 祐亮

 

 

「当事者意識がまちを変える」
~ 次世代へつなぐ魅力あるリーダー像 ~

はじめに

日本にJC が誕生したのは1949年。まだ、戦後の爪痕が色濃く残る混乱期で、国民全体が生活に大変苦しむ中、「新日本の再建は我々青年の仕事である」と、生きたくても生きられなかった人々のために、我々は価値ある人生を送らなくてはならない、と立ち上がりました。
それから24年後の1973年。奈良県で7番目、全国では545番目のLOMとして天理青年会議所が誕生いたしました。今年で発足してから53年目を迎えることになります。
JC の目的である、明るい豊かな社会の実現を目指し、今日まで天理青年会議所の精神を受け継ぎ、歴史を紡いでくださった敬愛する先輩諸兄に心より感謝を申し上げます。
又、各関係諸団体はじめ多くの皆様方におかれましては、日頃より我々の活動にご理解、ご協力を賜り、重ねて御礼申し上げます。

人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力

ふとした時にたびたび思い出されて、日々の自分を支えてくれる言葉、あるいは自分を奮い立たせてくれる言葉というものが、人にはそれぞれあるのではないかと思います。
私にとってのその言葉は、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」です。非常に有名な言葉ですが、私は初めてこの言葉に触れたとき、あまりの説得力に魂が震えたような感覚を抱きました。そして、我々のJC 運動も決して例外ではないと強く感じました。

つまり、我々のJC 運動をいかに価値のあるものにできるか、又、JC 運動によっていかに多くの人々に心の幸せをもたらすことができるかということも、この三要素が大きく関わっているということです。

とはいえ、「能力」に関しては、人それぞれに異なっていることも、そして自分にはさほど備わっていないということも理解しています。
また、青年期を迎えた我々の能力が一朝一夕に大きく伸びるとも考えられません。

しかし、あとの「熱意」と「考え方」の二要素に関しては後天的に身に付けていくものであり、今からでも大きく変えられる可能性を秘めています。

そして、この「熱意」と「考え方」は他者との関わりの中で育っていくものです。
人の「熱意」は一人では維持しづらく、また人の「考え方」は一人では成熟し得ない。
ここに我々が共にJC 運動に関わっていく一つの意味があるのではないかと思います。

目的を見失わない

私自身、JC に携わらせていただいた10年間で、天理青年会議所の諸先輩方や、現在同志である仲間が理事長所信に沿って本気で語り合い、「考え方」をすり合わせる場面や、お互いに切磋琢磨し、地域の発展に寄与するために「熱意」を映し合う姿を拝見してきました。

もちろん、我々が育ってきた環境や、これまで積み重ねてきた経験は人によって異なり、お互いの「考え方」がすべての点において完全に一致することはあり得ません。
当然、天理青年会議所の諸先輩方も、お互いにそれぞれ異なる「考え方」を持っておられたことでしょう。

しかし、この10年間で諸先輩方や同志である仲間の姿を拝見して感じるのは、様々な考え方がある中においても、ある一点においては共通した「考え方」を持っておられたということです。

それが、JC の理念である「明るい豊かな社会の実現」です。

激動の時代の中で、天理青年会議所の運動を担う我々が果たすべきこと。
それは、諸先輩方が確実に受け継いでこられた「明るい豊かな社会の実現」という不変の目的を見失わないことです。
そして一方で、時代の変化に応じて天理青年会議所が変革していくべき点はどこなのかを見極め、「熱意」を持って語り合い、互いの「考え方」を成長させていくことです。

我々は、そうした魅力ある天理青年会議所を、次世代へとつないでいくことが大切であると考えます。

JC は市民意識変革団体

青年会議所は、単なる地域社会の活動団体ではなく、意識変革を目的とした団体であるということが大きな特徴です。つまり、JC 活動に関わる我々青年は地域に貢献することで満足するのではなく、活動を通して自分自身の価値観や考え方を見つめ直し、意識を変革することを心掛けなければなりません。

さらに、意識の変わった人たちの集合体であるJC が行う運動に市民が参加することによって市民の意識が変わります。市民の意識が変わることによってまちが良くなり、人が育ちます。
これがJC の使命です。

私自身、この10年間のJC 活動の中で自分が考えたこともなかったような価値観に触れたり、また今の自分に不足しているものを自覚させられたりした場面を幾度となく経験してきました。その中で自分が持っていないと最も感じたのは、「自分が住んでいる地域をもっと良くしたい」という「当事者意識」でした。

それまでの自分は仕事で成功したいという目標は持っていたものの、あくまでこの地域に住んでいる一人の市民であり、「このまちは誰かが動かしていくのだろう」という「傍観者意識」を持っていたと、今振り返れば思います。

しかし、諸先輩方や仲間が様々な場面において地域の未来を語り合い、その思いを事業という形で表現し、自分も曲がりなりにも役割を担ってきた中で、JC 運動に関わっている私自身も、この地域に微力ながらも影響を及ぼしている当事者であることを強く意識するようになってきました。

JC 運動を推進する我々は、「傍観者意識」から「当事者意識」へと意識を変革していく人間を増やしていくことが大切であり、そして、意識の変わった人間の集合体であるJC が行う運動は、市民にポジティブな影響を及ぼし、地域は豊かで温かい空間へと変貌を遂げていくと信じています。
また、そこに住む若者が大人の姿を見て、他者へ貢献できる大人へと育っていく。JCの存在はそうした人財育成のサイクルの一端を担っているということを、それぞれが強く認識して運動を進めていきたいと考えています。

魅力あるリーダー像

青年会議所は、地域の未来を自らの手で切り拓く集団です。その活動の原動力となるのは、私たち一人ひとりの「考え方」に他なりません。

人は誰しも、自分の利益や幸福を第一に考える利己的な考え方を持っています。これは決して否定すべきものではなく、向上心や自己研鑽の源泉にもなります。しかし、その利己的な考え方に傍観者意識が結びついたとき、人は安全な立場からの批評や評価に終始し、行動を起こさない存在となってしまいます。その先には変革も進歩もありません。

対照的に、他者や地域の利益を優先する利他的な考え方は、仲間や社会に良い循環をもたらします。
しかし、それだけでは理想論に留まる場合があります。ここに当事者意識が伴ったとき、初めて「自分ごと」として行動する力が生まれます。当事者は課題に正面から向き合い、責任と情熱を持って解決に挑みます。その積み重ねが、組織や地域に持続可能な成果と信頼をもたらします。

私たちが目指すべきは、まさに利他的な考え方と当事者意識の融合です。利己を超えて他者のために尽くす心を持ちつつ、自らが動かなければ何も変わらないという覚悟を持って行動する。その姿勢こそが、青年会議所の存在価値であり、地域を動かす真の魅力あるリーダーだと思うのです。

地域で育む青少年事業

JCの青少年育成事業は、二つの意味で地域の将来を担っていく青少年の成長を促すことができると考えています。

第一に、次世代のリーダー層の育成です。
現代社会では、変化に対応できる柔軟性や、自ら考え行動できる主体性、また他者と協働して課題を解決する協調性が求められます。
我々が行う事業を通じて、多様な学びの機会を提供し、青少年が主体的に動く力強さを育むことができると期待できます。

第二に、地域とのつながりの強化です。
JC が時には行政や他の諸団体、企業などと協働しながら、地域全体で青少年を温かく見守るような事業を行うことで、青少年の心に地元への愛着や誇りを芽生えさせ、将来にわたり地域に貢献する意識を高められると考えられます。
これらの運動は、青少年一人ひとりの成長を後押しするだけでなく、地域の活性化とこれからの地域基盤を築くものであることから、未来への投資でもあります。

つまり、JCの青少年育成事業は「人づくり」を通じて「まちづくり」に貢献するという点で、非常に意義深い活動と言えます。

発信力

青年会議所の運動や理念を地域社会に発信し、理解と共感を得ることが重要です。
時代に即した情報媒体で効果的に発信し、単なる情報提供にとどまらず、運動の背景や目的、会員メンバーの熱意を伝え、JC の存在価値と信頼の向上に努めます。
これにより、地域社会との接点を増やし、我々が提供する事業への参加や協力を促進します。JC の存在価値を地域に根付かせ、未来への発展を支える架け橋としていきます。

おわりに

先の見えにくい不確実性の高い時代だからこそ、我々には果たすべき大きな責任があります。混迷の時代に必要なのは、確かなビジョンと覚悟を持って前進するリーダーの存在です。答えのない課題に対しても、恐れず一歩を踏み出す勇気と、仲間と協働する力が未来を切り拓く原動力となります。私は理事長として、その先頭に立ち、志をひとつにする仲間と共に、まちの可能性を信じ、挑戦し続ける一年にしてまいります。

 

2026 年度事業指針

  • 地域とのつながりを重視した会員拡大の推進
  • 青少年育成に関する継続事業の実施
  • 日本青年会議所、近畿地区協議会、奈良ブロック協議会への積極的な参画と協力
  • 創立55 周年を見据えた会員資質の向上
  • 天理青年会議所の事業および情報の発信強化
  • 他団体との意見交換ならびに交流事業の推進
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